合筆の登記の制限

読み方:がっぴつのとうきのせいげん
土地合筆 は、下記の場合にはすることができない(不動産登記法41条)。

(1) 表題部 の登記事項に関連するもの。
1.相互に接続していない土地。合筆を認めると飛び地が生じ、一筆の土地であることが認識しにくいからである。なお、たとえ相互に接続していても、管轄 登記所 を異にするする土地は合筆できない。
2. 地目 の異なる土地。一不動産一地目主義に反するからである。登記上の地目が同一でも現況が異なる場合は合筆できない。
3.地番区域が相互に異なる土地。例えば、芝塚町と飯塚町、東貝沢町一丁目と東貝沢町二丁目など。また、行政区画が異なる場合もできない。所在欄の記載が混乱するからである。
4.表題部所有者又はその持分を異にする土地。 所有権登記 のない土地を合筆することは可能だが、表題部所有者を異にする土地、又は表題部に記載されている共有者が同一であってもその 共有持分 を異にするときは、所有者の公示に混乱を生ずるため合筆はできない。

(2) 権利部 の登記事項に関連するもの。
1.所有権の 登記名義人 又はその共有持分を異にする土地。一物一権主義に反する状態を公示することになるからである。
2.所有権の登記のある土地と所有権の登記のない土地。一筆の一部にのみ所有権の登記がある土地を許容することは、一物一権主義に反するからである。
3.所有権の登記以外の権利に関する登記(承役地にする 地役権 の登記を除く)のある土地。一物一権主義に基づく制約である。ただし、地役権は承役地の一部を客体とすることができるので、制限の例外となる。また、合筆する全部の土地に登記原因・その日付・登記の目的・受付番号が同一の担保権(全部につき 仮登記 である場合を含むが、 根抵当権 の仮登記は除く)のあるときは制限が緩和され、合筆することができる(不動産登記規則105条)。